ホームページに載せる写真は、業種によって撮る順番が違います。すべてを揃えようとすると公開が遅れるので、効く順に3枚だけ先に用意してください。
この記事は、制作を進める途中で「写真を用意してください」と言われ、何から撮ればいいか分からなくなった事業主の方に向けて書いています。
結論:業種ごとの優先順位
| 業種 | 1枚目 | 2枚目 | 3枚目 |
|---|---|---|---|
| 工務店・リフォーム | 引き渡しの場面(建物ではなく人) | 施工中の手元 | 完成した室内 |
| 士業(税理士・社労士) | 相談中の机まわり | 事務所の入口 | 担当者の後ろ姿・手元 |
| 美容室・サロン・エステ | 施術空間の全体 | 手元の所作 | 受付・待合 |
| 飲食店 | 提供直前の料理 | 店内の座席 | 外観(看板が読める) |
共通するのは、1枚目に「建物や商品」ではなく「その場の状況」を置くことです。選ぶ側が知りたいのは、そこに行ったときに何が起きるかだからです。
たとえば工務店の1枚目に完成した建物の外観を置くと、同業他社と並べたときに区別がつきません。外観の良し悪しは、写真では伝わりにくいためです。一方、引き渡しの場面には誰が建てたかが写ります。価格でなく人で選ばれたい業種ほど、ここが効きます。
課題:写真が揃わずに公開が遅れる
制作が止まる原因として、原稿と並んで多いのが写真です。止まり方には型があります。
- 全ページ分の写真を一度に揃えようとして、撮影日が決まらない
- 手持ちの写真が暗い、または縦横がばらばらで使えない
- 人物を写すかどうかで社内の合意が取れない
3つ目は特に長引きます。スタッフの顔を出すかどうかは方針の問題なので、顔を出さずに人の気配を伝える撮り方を先に決めておくと止まりません。後ろ姿、手元、部分。この3つで、人がいることは十分伝わります。
顔を出す場合は、退職したときの差し替えまで考えておいてください。特定の担当者が大きく写っているページは、その方が辞めると使えなくなります。代表者の写真は残しやすく、スタッフ個人の写真は入れ替わりの前提で置くのが現実的です。
解決策1:まず3枚だけ用意する
ページ全部を埋める必要はありません。トップページの最初の画面に1枚、サービスの説明に1枚、事例または実績に1枚の計3枚があれば公開できます。残りは公開後に足せます。
先に3枚と決めると、撮影の段取りが具体的になります。「サイト用の写真を撮る」では日程が決まりませんが、「引き渡しの場面を1枚撮る」であれば、次の現場で撮れます。
3枚のうち、後回しにしていいのは1枚目ではなく3枚目です。事例の写真は数が要りますが、1件ずつ増やせます。逆に最初の画面の写真は、無いと全体の印象が決まらないため、代わりの手段(配色と文字組みだけで見せる)を先に決めておく必要があります。
なお、撮った写真をそのまま載せると表示が重くなります。長辺2000ピクセル程度に縮めてから渡すと、画質を落とさずに軽くできます。スマートフォンで撮った写真は、そのままだと1枚あたり数メガバイトになることがあり、表示速度に影響します。
解決策2:撮る前に、置き場所を決める
同じ被写体でも、置く場所によって必要な形が変わります。撮影前に次を決めてください。
| 置き場所 | 必要な形 | 注意 |
|---|---|---|
| 最初の画面 | 横長。中央に文字が乗る余白 | 主役を中央に置くと文字と重なる |
| カード状の一覧 | ほぼ正方形に切っても成立する | 端に主役を置かない |
| 記事の中 | 横長。細部が読める | 引きすぎると何の写真か分からない |
同じ写真を切り抜いて使い回す前提で撮ると、枚数を減らせます。横長で撮っておき、中央から正方形に切り出せるようにしておくのが扱いやすい形です。
写真を含めた見た目のルールをどう決めるかは、ブランディングデザインのページに書いています。写真が受注にどう効くかは、中小企業にブランディングは必要かで扱っています。
解決策3:暗さと色を、撮影時に直す
あとから明るくした写真は、色が濁ります。撮影時に次の2つだけ守ってください。
- 窓からの光を、被写体の横から当てる(正面からの照明より立体感が出る)
- 照明の色が混ざる場所を避ける(電球色と蛍光灯が混ざると、肌の色が転ぶ)
スマートフォンで構いません。機材より、光の向きと時間帯のほうが結果に効きます。 室内なら日中、窓のある側で撮ってください。
時間帯は、晴れた日の午前中から昼過ぎが扱いやすい範囲です。真上から光が入る正午前後は影が強く出るので、店舗の外観を撮るなら午前が向きます。曇りの日は影が出にくく、室内はむしろ撮りやすくなります。晴れを待って撮影が延びるくらいなら、曇りの日に撮ってください。
解決策4:写す範囲を、撮る前に言葉で決める
「なんとなく撮る」と、あとで使えない写真が増えます。撮る前に、写す人数と、体のどこまでを入れるかを決めてください。
- 人数(1人か、2人か)
- 体の範囲(手元だけか、後ろ姿か、全身か)
- 顔を入れるか
この3つを決めておくと、撮り直しが減ります。当サイトのサンプルサイトを作ったときも、業種ごとにこの3点を先に決めてから用意しました。決めずに進めると、手だけが不自然に写った写真のように、使えないものが混ざります。
もう1つ、撮影の場では同じ構図を3枚ずつ撮っておくことをおすすめします。表情や手の位置がわずかに違うだけで、使える・使えないが分かれます。撮り直しのために現場をもう一度用意するほうが、その場で2枚多く撮るよりはるかに大変です。
解決策5:載せてはいけない写真を避ける
見落とされやすい点です。次に当てはまる写真は使えません。
| 避けるもの | 理由 |
|---|---|
| 他人が写り込んでいる街の写真 | 肖像権の問題が起きうる |
| 他社サイトや素材集からの転用 | 権利の所在が確認できない |
| 実在しない人物を生成した画像 | スタッフや利用者として出すと、実在の店舗と誤認される |
3つ目は、当サイトでも決めごとにしています。人物が必要な場面では、後ろ姿・手元・部分で表現し、顔が要る箇所は差し替え前提の枠を置く方針にしています。実在しない人物をスタッフとして掲載すると、来店した方が受ける印象と食い違い、信用を損ないます。
素材集の写真も、使いどころを選んでください。イメージを補う背景として使う分には問題ありませんが、施工事例やスタッフとして出すと事実と異なる表示になります。 事例のページに使う写真は、自社で撮ったものだけにしてください。
よくある質問
Q. プロに撮影を頼むべきですか。
A. 美容・飲食のように、写真そのものが単価に直結する業種は頼む価値があります。一方、工務店や士業では、現場で撮った写真のほうが実感が伝わることも多く、まずスマートフォンで3枚から始めて問題ありません。反応を見てから撮影に投資する順番が無駄になりません。
Q. 施工事例の写真に、お客様の家が写っても大丈夫ですか。
A. 掲載の可否を書面で確認してください。口頭の了承だけだと、後から掲載を取り下げる話になったときに記録が残りません。引き渡しのタイミングで確認すると、依頼しやすく、断られにくいという利点があります。
Q. 写真が1枚も無い状態でも公開できますか。
A. できます。配色と文字組みだけで成立する構成にすれば、写真が無くても見劣りしません。ただし事例と実績の説得力は落ちるので、公開後に優先して足してください。写真が無いことを理由に公開を延ばすほうが損失は大きくなります。
まとめ
写真は業種によって撮る順番が違います。全部を揃えようとせず、効く3枚から始めてください。撮る前に、置き場所と、写す範囲を言葉で決めておくと撮り直しが減ります。
どの写真から用意すべきかは、業種と、いまサイトで何を伝えたいかで変わります。判断に迷う場合は、事業内容を伺ったうえで、必要な枚数と優先順位をお伝えします。お問い合わせからご相談ください。