飲食店のホームページで最も見られるのは、料理写真ではなく営業時間と場所です。そのうえで来店を左右するのは、席と予約の条件。この順番でページを組むと、少ない更新でも役に立つサイトになります。
この記事は、自社サイトを持っているが、来店につながっている実感がない飲食店の方に向けて書いています。
結論:載せる順番
| 順番 | 項目 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 営業時間・定休日・臨時休業 | 来店直前に最も確認される |
| 2 | 場所と経路 | 駅からの道順は地図だけでは足りない |
| 3 | 予約の要否と席の構成 | 入れるかどうかの判断になる |
| 4 | メニューと価格 | 比較検討の材料 |
| 5 | 店の考え方・こだわり | 決め手にはなるが、最初ではない |
多くのサイトが5番から始まっています。思いを伝えるページが上にあり、営業時間が下にある構成は、順番が逆です。
課題:情報が古いまま置かれている
飲食店のサイトで起きやすいのは、更新の停止です。数年前の価格、終了したキャンペーン、閉店した系列店の案内。これらが残っていると、いま営業しているのかどうかが判断できません。
古い情報は、無いよりも悪く働きます。営業時間が違っていれば来店機会を失い、価格が違っていれば会計時に不満が出ます。
原因の多くは、更新を自分で行えないことです。制作会社に連絡しないと直せない状態だと、臨時休業のような当日の変更に対応できません。
もう1つの原因は、更新する場所が多すぎることです。お知らせ、ブログ、季節のメニュー、キャンペーン。枠を増やすほど、どれかが必ず止まります。止まった枠は「更新されていない店」という印象をつくるので、最初から枠を絞っておくほうが安全です。
解決策1:営業時間は、例外まで書く
営業時間の欄で足りないのは、例外の記述です。
- ランチとディナーで分かれている場合、それぞれの時間
- ラストオーダーの時刻
- 祝日と祝前日の扱い
- 年末年始・夏季の休業
「不定休」とだけ書かないでください。確認する手段(電話、予約ページ、案内の掲載場所)を添えれば、書けない場合でも来店の判断ができます。
年末年始や連休の営業予定は、遅くとも2週間前には出してください。予定を立てる時期に情報が無いと、その期間の来店先の候補から外れます。期間限定の情報ほど、出す時期が結果を左右します。
営業時間は、複数の場所に書かないほうが安全です。トップページ、店舗案内、フッターの3か所に書くと、変更のたびに直し漏れが起きます。1か所を正として、他は同じ内容を出す形にしておくと、食い違いが起きません。
臨時休業の案内は、目立つ位置に置いたまま残さないでください。終わった案内が最初の画面に残っていると、いつの情報か分からなくなります。掲載する期間を決めておき、過ぎたら消す運用にします。
解決策2:経路は、目印つきで書く
地図の埋め込みだけでは足りません。初めて来る人は、駅を出た後で迷います。
- 出口の名前(◯◯駅 東口)
- 徒歩の分数
- 目印になる建物や店(信号、コンビニ、銀行)
- 入口の位置(ビルの2階、路地を入る、看板の色)
入口が分かりにくい店ほど、この記述が効きます。 地下や2階以上の店舗、看板の小さい店では、写真を1枚添えると迷いが減ります。
駐車場の有無も、地域によっては営業時間と同じくらい確認されます。台数、位置、提携駐車場の条件まで書いてください。「近隣にコインパーキングあり」だけでは、来店の判断材料になりません。
住所は、番地とビル名・階数まで正確に揃えてください。サイト内で表記が揺れていると、地図検索での判定にも影響します。同じ住所を、同じ書き方で出すのが基本です。
解決策3:席と予約の条件を、先に出す
来店をためらう理由の多くは、入れるかどうかが分からないことです。
| 書くこと | 例 |
|---|---|
| 席数と構成 | カウンター8席、テーブル2卓 |
| 予約の要否 | 予約なしで入れる/予約をおすすめ/完全予約制 |
| 人数の上限 | 最大◯名まで。それ以上は貸切のご相談 |
| 子ども連れ | 可否と、座席の条件 |
当サイトで制作したサンプルでは、カウンター中心の鮨店のページをあえて情報量の少ない構成にし、「お一人様歓迎」を主張として置いています。業態によって、書くべきことも書かないほうがよいことも変わります。選択肢の多さが親切とは限りません。
席の情報は、写真と組み合わせると伝わりやすくなります。カウンターの写真が1枚あるだけで、1人でも入りやすい店かどうかが判断できます。文章と写真が同じ場所を指していることが要点です。
貸切の可否も書いておくと、宴会の需要を拾えます。**最大人数と、貸切になる条件(人数、曜日、時間帯)**まで書いてください。問い合わせてから断られる体験は、その後の来店にも影響します。
解決策4:メニューは文字で書き、写真は絞る
メニューを画像1枚で載せると、読み込みが重く、拡大しないと読めません。文字で書けば、検索でも拾われます。
写真を出すのは、主力の数品だけで十分です。全品に写真を付けると、どれが看板なのかが伝わらなくなります。
価格は税込で書き、席料やお通しがある場合は同じ場所に明記してください。会計時に金額が変わる体験は、再来店を最も損ないます。
サービス料やチャージがある場合も同じです。「サービス料10%」と小さく書くのではなく、価格表と同じ大きさで並べてください。隠していないことが伝われば、金額そのものは受け入れられます。
アレルギーや食材の対応可否も、書いてあると問い合わせが減ります。すべてに対応できなくても構いません。「対応できるもの」「事前にご相談が必要なもの」「対応できないもの」を分けて書けば、来店前に判断してもらえます。
見た目が受注につながる仕組みは、中小企業にブランディングは必要かで扱っています。写真や配色のルールごと決める場合は、ブランディングデザインの範囲です。
解決策5:自分で更新できる範囲を決めておく
制作を依頼するときに、どこを自分で直せるようにするかを先に決めてください。飲食店で最低限必要なのは次の3つです。
- 臨時休業・時短の案内
- 価格の数字
- メニューの品名
この3つが自分で直せれば、制作会社への連絡は年に数回で済みます。逆に、ここを依頼制にすると、更新が止まり、情報が古くなります。
制作を依頼するときは、「どこまで自分で直せますか」と契約前に聞いてください。 「修正はすべて承ります」という答えは親切に見えますが、当日中に臨時休業を出したい場面では機能しません。営業に関わる情報だけは、自分の手で変えられる状態にしておくのが安全です。
よくある質問
Q. 料理写真は何枚あればいいですか。
A. 主力の3〜5品で十分です。それに加えて、店内の座席が分かる写真と外観を1枚ずつ入れてください。全品の写真より、席の様子のほうが来店の判断に効きます。
Q. こだわりや店主の思いは載せないほうがいいですか。
A. 載せてください。ただし置く位置を後ろにします。決め手にはなりますが、最初に読まれる情報ではありません。営業時間・場所・席の条件を先に出したうえで、その下に置くのが順番です。
Q. サイトを持っていても予約は電話ばかりです。
A. 業態によっては、それで問題ありません。席数が少ない店では、電話のほうが調整が早く済みます。ただし電話に出られない時間帯を明記してください。 かけて出なかった経験は、そのまま来店機会の損失になります。
まとめ
飲食店のホームページは、営業時間・場所・席と予約の条件・メニューの順で組んでください。思いを伝えるページは、その後ろで働きます。更新は3項目に絞り、自分で直せる形にしておくことが、情報を古くしないための条件です。
業態によって、書くべきことも順番も変わります。店の形態を伺えば、構成の案をお出しできます。お問い合わせからご相談ください。