美容室・サロンがポータルサイトへの依存から抜けるには、自社サイトで予約が完結する状態を作り、指名検索の受け皿にすることが必要です。ポータルをやめる必要はありません。新規はポータル、リピートは自社サイト、という役割分担にするのが現実的です。
この記事は、掲載料の負担が重くなってきた美容室・サロン・エステの方に向けて書いています。
結論:役割を分けて、順番に移す
| 経路 | 役割 | 自社サイトでやること |
|---|---|---|
| ポータル経由の新規 | 認知と初回来店 | 無理に減らさない |
| 店名で検索した人 | 再来店・指名 | 予約まで完結させる |
| 地域名+業種で検索した人 | 比較検討中の新規 | 内容と料金で選ばれる状態にする |
いきなり掲載をやめると、新規が止まります。まず店名検索の受け皿を作り、そこから比較検討層を取りにいく順番が安全です。
課題:店名で検索されているのに、受け皿が無い
ポータルに掲載していると、店名で検索したときにポータルのページが上位に出ます。この状態には2つの損があります。
1つは、再来店の予約でも手数料がかかることです。一度来店した方が店名で検索し、ポータル経由で予約すると、新規と同じ費用構造になります。
もう1つは、比較され続けることです。ポータルのページには、必ず近隣の他店が並びます。指名で来た人が、そこで比較にさらされます。
自社サイトが店名検索で上に出て、そこで予約できれば、この2つは避けられます。
新しく取ったドメインで最初の3か月に何をするかは、新規ドメインのサロンサイトが最初にやることで扱っています。公開後に記事を積む部分は、記事コンテンツ運用の範囲です。
解決策1:予約を、サイト内で完結させる
「ご予約はお電話で」だけの状態は、予約の取りこぼしが起きます。営業時間中に電話できる人ばかりではありません。
予約システムは外部のものを埋め込む形で構いません。要点は、サイトの中で予約が終わることです。ポータルの予約ページへ飛ばすと、そこで他店と比較されます。
電話予約を残す場合も、営業時間と、電話がつながりやすい時間帯を書いてください。「施術中は出られないことがあります」と正直に書いてあるほうが、かけ直してもらえます。
予約システムを入れるときに見落とされやすいのが、サイトの見た目との連続性です。予約画面に移った瞬間に配色も書体も変わると、別のサービスに飛ばされた印象になります。埋め込む位置と、色の設定だけでも合わせておくと、離脱が減ります。
もう1つは、予約できる範囲を先に書くことです。当日予約が可能か、何時間前まで受け付けるか、キャンセルはいつまで無料か。これが分からないと、予約ボタンを押す前に手が止まります。予約画面の中ではなく、その手前に書いてください。
解決策2:料金を、所要時間つきで出す
美容室・サロンの料金表で抜けやすいのが所要時間です。読む側は、その日に何分かかるかを知ってから予定を組みます。
- カット+カラー:◯◯円/約120分
- 縮毛矯正:◯◯円/約180分
当サイトで制作したサンプルでも、美容室のページは料金を所要時間つきで出す構成にしています。金額だけの表より、予約の判断が早くなります。
税込・オフ込みなど、当日の会計で金額が変わらない形で書くことも大切です。ネイルやまつげのサロンでは、オフ代が別だったことで印象を損なう場面がよく起きます。
初回限定価格を出す場合は、2回目以降の金額を同じ場所に並べてください。 初回だけが安く、通常価格が分からない状態は警戒されます。安さを前面に出すほど、勧誘への不安と結びつきやすくなるためです。当サイトで制作したサンプルでも、エステのページは初回限定価格と「勧誘・物販なし」を同じ視界に置く構成にしています。
持ちの長さで選ばれる業種(ネイル、まつげ、縮毛矯正など)では、何週間もつかを目安として書くと比較の土俵に自分から乗れます。書かない店が多いぶん、書くだけで差になります。
解決策3:初回の不安を、先に消す
初めての店に行くときの不安は、料金以外にもあります。
| 不安 | 書くこと |
|---|---|
| 勧誘されないか | 物販・回数券の勧誘の有無を明記する |
| どんな人が担当するか | 担当者の人数、指名の可否 |
| どれくらい前に着けばよいか | カウンセリングの時間を含めた所要時間 |
| 何を持っていけばよいか | 手ぶらで可、着替えの有無 |
エステやメンズ向けのサロンでは、個室かどうか、他の客と顔を合わせないかが決め手になることがあります。「完全個室」と書くだけでなく、入口から施術室までの動線まで書いてあると、言葉だけの主張と区別されます。
不安を消す情報は、料金表の近くに置いてください。別ページの「よくある質問」にまとめると、そこまで到達しない人には届きません。予約ボタンの手前が、最も効く位置です。
メンズ向けのサロンでは、匿名性が決め手になる場面があります。他の客と顔を合わせない動線か、予約時に名前をどこまで伝える必要があるか。当サイトで制作したサンプルでも、メンズ向けのページは「個室」の条件を具体的な行数で書き分ける構成にしています。言葉だけの主張は信用されません。
解決策4:写真は、施術空間と手元を先に
サロンの写真で優先度が高いのは、店内の全体と、施術中の手元です。仕上がりの写真は重要ですが、それだけでは他店と区別がつきません。
空間の写真は、実際の明るさで撮ってください。加工で明るくした写真は、来店時の印象との差が大きくなり、次につながりません。
人物を写す場合、スタッフの顔を出すかどうかは方針の問題です。出さない場合は、後ろ姿・手元・部分で撮れば、人がいることは十分伝わります。
素材集の写真を施術風景として使うのは避けてください。来店したときの印象と食い違い、信用を損ないます。 撮影が難しい場合は、写真の枚数を減らし、そのぶん文章で伝えるほうが結果的に良く働きます。
写真を差し替える頻度も決めておくと運用が楽になります。内装を変えたとき、メニューを増やしたとき、季節で見え方が変わるとき。この3つのタイミングだけと決めておけば、更新が止まっている印象を避けられます。
事例:新規ドメインのサロンで順位が動いた記録
運営元である株式会社iroha が手がけた案件では、東京都S区のエステ店で、新規に取得したドメインにもかかわらず、地域名を含むキーワードが公開から1ヶ月で検索1ページ目に入りました。地域名を軸にした構成にした結果です。
新規ドメインは通常、評価されるまで時間がかかります。この案件は競合の少ない組み合わせを選べたという条件にも恵まれています。検索順位は当方が決められるものではないため、同じ結果をお約束するものではありません。
よくある質問
Q. ポータルサイトはやめるべきですか。
A. すぐにやめる必要はありません。新規の入口として機能しているうちは残し、自社サイトからの予約が増えてきた段階で掲載プランを下げる、という順番が安全です。先に受け皿を作ってから減らすのが要点です。
Q. 予約システムは何を使えばいいですか。
A. すでにお使いのものがあれば、それを埋め込む形で構いません。新規に選ぶ場合は、スマートフォンでの操作が分かりやすいか、キャンセルと変更が客側でできるかを基準にしてください。電話対応の手間が減るかどうかが実務上の違いになります。
Q. 更新する時間がありません。
A. 毎月更新する必要はありません。料金、営業時間、休業日が正確であれば、それだけで役割を果たします。更新が要るのは、価格改定と休業の案内だけという状態にしておくのが現実的です。
まとめ
ポータル依存から抜けるには、まず店名検索の受け皿を作り、予約をサイト内で完結させてください。料金は所要時間つきで、初回の不安は先に消します。掲載をやめるのは、そのあとで構いません。
いまの集客の内訳によって、どこから手を付けるべきかは変わります。現状を伺ったうえで、順番をお伝えします。お問い合わせからご相談ください。