飲食店がグルメサイトとは別に自社サイトを持つ理由は、集客を奪い返すためではありません。店名で検索した人に、正しい情報をこちらから出せるようにするためです。営業時間、定休日、席の状況。この3つが最新であることが、来店直前の判断を左右します。

この記事は、グルメサイトには載せているが自社サイトは作っていない、あるいは放置している飲食店の方に向けて書いています。

結論:自社サイトが担う3つの役割

役割 具体的に グルメサイトでは難しい理由
最新情報を出す 臨時休業、時短、売り切れ 更新の反映が自分の手で完結しない
判断材料を出す 予約の要否、席数、持ち帰りの条件 決まった項目にしか書けない
店名検索の受け皿 店名で調べた人が最初に見る場所 他店が並ぶ画面で比較される

新規集客はグルメサイトのほうが強い場面が多くあります。 役割を分けたうえで、自社サイトには「行くと決めた人が見る情報」を置くのが現実的です。

課題:店名で調べた人が、古い情報にたどり着く

来店直前に店名を検索する人は多くいます。そのとき上位に出るのがグルメサイトのページで、そこに載っている営業時間が古いままだと、行き違いが起きます。

飲食店で最も損失が大きいのは、来たのに閉まっていたという体験です。この場合、再来店の可能性はほぼ無くなります。臨時休業や時短営業の情報を、自分の判断ですぐ出せる場所が要ります。

同じことは、価格でも起きます。掲載されている金額と会計の金額が違えば、その差額が小さくても印象に残ります。金額と時間の2つだけは、常に最新である必要があります。 他の情報は多少古くても、来店体験を損ないません。

もう1つは、席の状況が伝わらないことです。カウンターだけの店、予約なしで入れる店、逆に予約必須の店。この違いが分からないと、来店をためらいます。

解決策1:最初の画面に、来店の条件を書く

トップページの最初の画面に、次のどれかを置いてください。

  • 「予約なしでも入れます」
  • 「ご予約をおすすめします(当日可)」
  • 「完全予約制です」

当サイトで制作したサンプルでも、大衆酒場のページは「予約なしでも入れます」を最初の画面に置く構成にしています。業態によっては、予約制であること自体が敷居になるためです。逆にカウンターのみの店では、予約制であることを先に書いておかないと、入れなかった人の不満が残ります。

来店の条件は、業態ごとに答えが変わります。席数が少なくて回転の速い店では、予約を受けないほうが売上が安定する場合があります。逆に、仕込みの量を読む必要がある店では、予約制にしないと廃棄が増えます。自店がどちらかを決めて、そのまま書くのが要点です。

書き方で迷ったときは、来店した人から実際に聞かれる質問を思い出してください。「予約したほうがいいですか」と毎日聞かれているなら、それはサイトに書かれていないという意味です。接客での質問は、そのままページの見出しになります。

解決策2:メニューは、全品を1ページに出す

メニューを画像で1枚ずつ見せる形は、読み込みが重く、探しにくくなります。文字で全品を1ページに並べるほうが、比較も検索も早くなります。

  • 品名と価格を、区分ごとに並べる
  • 写真は主要な数品だけに絞る
  • 税込か税別かを明記する

メニューを文字で書いておくと、料理名で検索した人に見つけてもらえます。「◯◯(地名) 生姜焼き」のような検索は、画像だけのページでは拾えません。

価格改定のたびに画像を作り直すのも負担になります。文字で書いてあれば、数字を打ち替えるだけで終わります。更新の手間の差が、そのまま情報の鮮度の差になります。

品数の多い店では、区分の分け方を工夫してください。料理の分類ではなく、注文される順番(先に出るもの、締めのもの)で並べると、読む側が組み立てやすくなります。

解決策3:時間の情報を、営業時間より細かく書く

飲食店では、営業時間だけでは足りない場面があります。

業態 書くとよいこと
ベーカリー 焼き上がりの時間割
ラーメン 1日の提供数、売り切れ終いの有無
カフェ 電源・通信環境の有無、長居の可否
居酒屋 ラストオーダーの時刻

当サイトで制作したサンプルでも、ベーカリーのページは焼き上がりの時間割を骨格にし、ラーメン店のページは1日の提供数と売り切れ終いを前提として書く構成にしています。来店時間を決められる形になっているかが要点です。

時間の情報を書くときは、守れる範囲で書くことが前提です。焼き上がりの時間割を出すなら、その時間に商品が並んでいる必要があります。守れない約束を書くと、来店した人の失望につながり、書かないより悪く働きます。

季節や仕入れで変わる項目は、「◯時頃」「なくなり次第終了」のように幅を持たせてください。幅があること自体は問題になりません。 何も書かれていないことのほうが、来店の判断を止めます。

解決策4:更新する項目を、3つに絞る

飲食店の自社サイトが放置される原因は、更新の負担です。毎日書く必要はありません。 更新するのは次の3つだけと決めてください。

  1. 臨時休業・時短の案内
  2. 価格改定
  3. メニューの入れ替え

このうち1つ目だけは、その日のうちに出せる形にしておく必要があります。管理画面から自分で書き換えられるか、制作会社に連絡しないと変えられないかで、実用性が大きく変わります。

載せる順番そのものは、飲食店のホームページに載せる情報と順番で扱っています。更新を続ける仕組みごと用意する場合は、記事コンテンツ運用の範囲です。

解決策5:予約の導線を、業態に合わせる

予約の受け方は、業態によって最適解が違います。

  • 席数の少ない店:電話のみでも成立する。ただし出られない時間帯を明記する
  • 宴会・コースがある店:人数と日時を先に受け取れるフォームがあると往復が減る
  • 予約なしが基本の店:予約ページを作らず、混雑しやすい時間帯を書く

全部を用意する必要はありません。 使わない導線を置くと、対応漏れが起きて印象を損ないます。

予約フォームを置く場合は、受け付けてから返信するまでの時間を明記してください。 「営業時間内に折り返します」と書いてあれば、返信が来るまでの不安が減ります。書いていないと、返事を待たずに他店を予約されます。

外部の予約サービスを使う場合も、サイト内のどこから入るかを1か所に決めてください。 複数の入口があると、どれが正しいのか分からなくなります。

よくある質問

Q. グルメサイトの掲載はやめるべきですか。

A. やめる必要はありません。新規の入口としては有効です。自社サイトは、店名で調べた人と、来店を決めた人のための場所として持つのが現実的です。役割を分けるという考え方をおすすめします。

Q. 写真は料理だけで足りますか。

A. 料理に加えて、店内の座席が分かる写真を1枚入れてください。カウンターだけなのか、テーブル席があるのか、子ども連れで入れそうかは、写真のほうが早く伝わります。外観も1枚あると、初めての人が迷いません。

Q. 更新する時間がありません。

A. 更新が必要なのは臨時休業・価格改定・メニューの入れ替えの3つだけです。とくに臨時休業だけは、自分で当日に出せる形にしておいてください。それ以外は数か月に一度で問題ありません。

まとめ

飲食店の自社サイトは、集客をグルメサイトから奪い返すためではなく、店名で調べた人に正しい情報を出すために持ちます。来店の条件、メニュー、時間の情報を揃え、更新は3項目に絞ってください。

いまの集客の内訳によって、自社サイトに持たせるべき役割は変わります。業態を伺えば、構成の案をお出しできます。お問い合わせからご相談ください。