相見積もりで最後まで残る工務店のサイトには、対応エリア・価格帯・保証・着工までの期間が書かれています。この4つが無いと、比較の段階で候補から外れます。書いていない理由が「都度対応だから」であっても、選ぶ側にはそう見えません。

この記事は、問い合わせは来るが受注に至らない、あるいは相見積もりで負けることが続いている工務店・リフォーム会社の方に向けて書いています。

結論:載せる4項目と、書き方

項目 書き方 書かないとどう見えるか
対応エリア 市区町村名を列挙する 来てくれるか分からない
価格帯 幅+幅が決まる理由 高いのではないかと疑われる
保証・アフター 年数と、範囲に入らないもの 引き渡し後に放置されると思われる
着工までの期間 相談から着工までの月数 段取りが立てられない

4つとも、書かないほうが不利になる種類の情報です。隠して問い合わせを増やしても、その後で条件が合わなければ双方の時間が無駄になります。

課題:問い合わせフォームまで来て、送らずに離脱する

サイトを見た人が問い合わせをやめる理由は、興味が無いからではありません。判断材料が足りず、聞くのが億劫だからです。

「エリア外だったら申し訳ない」「予算感が合わなかったら気まずい」という気持ちで止まります。これは営業を受けたくないという心理と同じもので、情報を出すほど下がります。

逆に、条件が明記されていると「自分は対象だ」と分かった状態で問い合わせが来ます。問い合わせ件数は減ることがありますが、受注率は上がります。

解決策1:対応エリアは市区町村名で書く

「県内全域」「近隣地域」のような書き方は避けてください。読む側は自分の町の名前を探しています。

  • 主な施工エリア:◯◯市、◯◯町、◯◯村
  • 上記以外もご相談ください(出張費が別途かかる場合があります)

このように、中心エリアと、条件つきで対応する範囲を分けて書くのが実務に近い形です。地域名が具体的に書かれていることは、検索の面でも働きます。

解決策2:価格帯は幅で出し、含まれない費用を分ける

金額を出すことに抵抗がある場合でも、幅と条件なら出せます。

  • 新築:1,800万円〜(延床30坪・標準仕様の場合)
  • 含まれないもの:外構、地盤改良、登記費用、家具

含まれないものを書くのが要点です。これを書かずに総額だけ出すと、見積もり提示の段階で金額が跳ね、不信につながります。先に書いておけば、その分の説明が要りません。

金額の見せ方でもう1つ大切なのは、どの単位で書くかです。総額だけだと規模の違う話が比べられません。坪単価だけだと、延床の小さい家ほど割高に見えて実態と離れます。総額の幅と、前提の延床を並べて書くのが、誤解の少ない形です。

「価格は要相談」とだけ書く場合でも、何を伺えば概算が出せるかを添えてください。 「延床・希望の設備・外構の範囲を伺えれば、その場で概算をお伝えします」と書いてあれば、問い合わせる側は何を準備すればよいか分かります。

解決策3:保証は「範囲外」まで書く

保証年数だけを大きく書いているサイトは多いのですが、選ぶ側が知りたいのは範囲です。

書くこと 例
構造・防水の保証年数 10年(延長条件つき)
定期点検の時期 引き渡し後6ヶ月、1年、2年、5年、10年
保証の範囲外 経年劣化、施主支給品、自然災害による損傷

範囲外を書くと不利に見えますが、実際には逆です。書いてある会社のほうが、引き渡し後の関係を想像できます。

点検の時期を明記しておくと、引き渡し後の連絡が取りやすくなるという副次的な効果もあります。定期点検はリフォームや増改築の相談が出てくる場面でもあるため、書いておくことが次の受注につながる動線にもなります。書いていない会社では、施主のほうから連絡する理由がありません。

解決策4:着工までの期間を、工程で示す

「お気軽にご相談ください」だけでは、いつ動き出せばよいか分かりません。相談から着工までを月数で示してください。

  1. ご相談・現地確認(1〜2週間)
  2. プラン・概算見積もり(3〜4週間)
  3. 契約・実施設計(1〜2ヶ月)
  4. 着工

住宅は、思い立ってから着工まで数ヶ月かかる買い物です。逆算できる形で書いてあるだけで、早めの相談につながります。

とくに効くのは、入居したい時期が決まっている方です。「子どもの入学に間に合わせたい」「いまの賃貸の更新前に引っ越したい」という事情がある場合、逆算していつ相談すべきかが分かれば、その場で動けます。工程表を載せているサイトは多くありませんが、判断を早める材料としては費用や保証より効く場面があります。

書き方は、月数の幅で構いません。「プランと概算見積もりまで3〜4週間」のように、待ち時間の見当がつく粒度で十分です。

書いたあとに何が起きるか

4項目を書くと、問い合わせの中身が変わります。よくある変化は次の3つです。

  • 問い合わせ件数は減ることがある。 条件が合わない方が、送る前に判断できるようになるためです
  • 初回の打ち合わせが短くなる。 エリアと予算の確認から始める必要が無くなります
  • 金額の話が早い段階でできる。 幅を先に示しているので、詳細見積もりで揉めにくくなります

件数が減ることを損失と考えるかどうかが、判断の分かれ目です。受注に至らない問い合わせにも、返信と見積もりの時間はかかります。 少人数で回している工務店ほど、件数より質を取るほうが実務に合います。

なお、4項目を書いても問い合わせが増えない場合、原因は情報ではなくそもそも見られていないことにあります。その場合はページを直すより、検索での見え方を先に調べたほうが早く進みます。

問い合わせが来ない原因を先に確かめるなら、工務店のホームページに問い合わせが来ないをご覧ください。見た目と文章を一度に整える場合は、ブランディングデザインの範囲になります。

事例:Y県の工務店で順位が動いた記録

運営元である株式会社iroha が手がけた案件では、Y県の工務店のサイトで「Y県 工務店」が9〜10位から3ヶ月以内に検索1ページ目へ移りました。ページ構成とキーワード設計を組み直した結果です。検索順位は当方が決められるものではないため、同じ結果をお約束するものではありません。

順位が動いた要因のうち、この記事に関係するのは情報の欠落を埋めたことです。エリアと価格帯が書かれていないページは、検索する人の疑問に答えていないと判断されます。

よくある質問

Q. 価格を出すと、安い会社に流れませんか。

A. 価格だけで選ぶ層には流れます。ただしその層は、書いていなくても最終的に金額で決めます。書くことで失うのは、もともと受注しにくい相手です。代わりに、条件が合う人が問い合わせやすくなります。

Q. 4つを書く場所は、どのページがいいですか。

A. 会社案内ページに1か所まとめるより、それぞれ関係するページに書くほうが働きます。エリアは事例ページ、価格帯は料金ページ、保証はアフターサービスのページ、期間は流れのページです。まとめページは、そこへの入口として置きます。

Q. 条件が案件ごとに違うので、書きにくいです。

A. 幅で書いてください。「30坪で1,800万円〜」のように前提を添えれば、実態と離れません。幅が広いこと自体は問題になりません。 何で変わるかが書いてあれば、読む側は自分がどのあたりかを判断できます。

まとめ

相見積もりで残るために必要なのは、目立つデザインではなく、判断材料です。対応エリア、価格帯、保証、着工までの期間。この4つを書いてください。

いまのサイトに何が足りていないかは、外から見たほうが早く分かります。現状のサイトがあれば、どこで判断が止まっているかを調べてお伝えします。お問い合わせからご相談ください。