制作会社選びは、どこで失敗するのですか

失敗の多くは、契約前の3つの確認漏れから起きます。

確認漏れ 公開後に起きること
原稿と写真を誰が用意するかが曖昧 公開が数ヶ月遅れる、または追加費用になる
公開後に自社で触れる範囲が不明 1行直すのに依頼と費用が必要になる
制作物の権利とデータの所在が不明 他社へ移れない、作り直しになる

いずれも見積書には書かれていないことが多く、聞かなければ分かりません。デザインの好みや金額の比較に時間をかける前に、この3つを確かめてください。

御社が受け取るのは、公開時点のサイトではなく、その後3年から5年の運用です。

見積もりは、どこを比べればよいですか

金額の合計ではなく、内訳の粒度を比べます。

同じ「10ページ 50万円」でも、中身はまったく違います。次の項目が書かれているかを見てください。

  • ページごとの内訳(トップ、下層、問い合わせ、それぞれいくらか)
  • 設計にかかる費用が、独立した項目としてあるか
  • 原稿の作成、写真の撮影が含まれるか
  • 公開後の保守に、何が含まれるか

設計の費用が項目として立っていない見積もりは注意が必要です。ページ構成と導線の設計は、制作の中でもっとも結果を左右する部分です。ここが「デザイン費」に混ざっている場合、実際には設計をせず、テンプレートに流し込むだけの場合があります。

金額の差そのものより、差がどこから来ているかを聞いてください。説明できない差額があるなら、内訳を出してもらいます。

安い見積もりは、なぜ安いのですか

安さには理由があります。理由が分かれば、選んでよい場合もあります。

安い理由 選んでよいか
テンプレートを使う 内容が整っているなら、選んでよい
ページ数が少ない 必要なページが揃っているなら、選んでよい
原稿と写真を自社が用意する 用意できるなら、選んでよい
設計をしない 避けたほうがよい
公開後に触れない作りにする 避けたほうがよい

上の3つは、御社が手を動かす代わりに安くなっています。これは取引として成立します。下の2つは、後から費用が発生する形です。初期費用は安く見えても、3年で見ると高くつきます。

月額の保守費用も同じです。何が含まれるかを確かめてください。サーバーの費用だけなのか、更新の作業が含まれるのか、記事の作成まで含むのかで、金額の意味が変わります。

実績はどこを見ればよいですか

作った数ではなく、御社と近い条件の案件があるかを見ます。

見るのは次の点です。

  1. 業種が近いか。 商流や検討の期間が違うと、設計の考え方が変わります
  2. 規模が近いか。 大企業の実績が多い会社は、進め方も大企業向けです
  3. 公開後も動いているか。 実績として挙がっているサイトを開き、更新が続いているかを見ます

3つ目が効きます。実績のサイトを実際に開き、お知らせや記事の最終更新日を確かめてください。公開後に止まっているサイトばかりなら、その制作会社は「作って終わり」の関わり方をしています。

当社の場合、Y県の工務店のサイトでは「Y県 工務店」が9〜10位から3ヶ月以内に検索1ページ目へ、東京都S区のエステ店では新規ドメインで、地域名を含むキーワードが1ヶ月で1ページ目に入りました。こうした結果が出ているかどうかも、聞いてよい項目です。

契約前に、必ず聞くべきことは何ですか

次の質問をそのまま使ってください。答えに詰まる会社は避けます。

質問 何が分かるか
原稿と写真は、どちらが用意しますか 期間と追加費用のずれ
公開後、私たちが自分で直せるのはどこまでですか 運用が止まるかどうか
データとドメインの管理者は誰になりますか 他社へ移れるかどうか
公開後に不具合が出た場合、どこまで無償ですか 保守の範囲
制作物の著作権はどちらに帰属しますか 作り直しのときの制約

3つ目は見落とされがちです。ドメインが制作会社の名義になっていると、契約を終えるときに移管の交渉が必要になります。必ず御社の名義で取得してください。

当社の場合、公開後に誰が何を触るのかは記事コンテンツ運用のページに書いています。作り直すかどうかで迷っている段階であれば、ホームページを作り直すタイミングも合わせてご覧ください。

良い制作会社は、どこで見分けられますか

提案より先に、質問をしてくる会社です。

初回の打ち合わせで、いきなりデザインの方向性や制作の流れを説明し始める会社は、御社の事業を聞く前に売るものを決めています。

先に事業を聞く会社は、次のようなことを尋ねます。

  • いまの問い合わせは、どこから来ているか
  • 受注につながる相談と、そうでない相談の違いは何か
  • 断っている仕事はあるか
  • 社内で更新に使える時間は、どれくらいあるか

こうした質問に答えるうちに、御社の側でも整理が進みます。この整理が、そのままページの構成になります。

できないことを、できないと言う会社も信用できます。検索順位を約束してくる会社は避けてください。順位は検索エンジンの判断と競合の動きで決まるもので、制作会社が確約できる性質のものではありません。当社も、順位そのものについてはお約束していません。

同じように、「必ず問い合わせが増える」といった言い方も疑ってください。増やすための設計はできますが、結果は業種、地域、競合の数で変わります。条件を確かめずに結果だけを断言する会社は、御社の事業をまだ見ていません。

相見積もりは何社が適切ですか

3社までにしてください。

比較する相手が増えるほど、判断の基準がぶれます。5社を比べると、金額の安さだけが分かりやすい基準として残り、内訳を見なくなります。

進め方は次のとおりです。

  1. 本文で挙げた3つの確認事項を、同じ文面で全社に送る
  2. 返答の速さと具体性で、2社に絞る
  3. 絞った2社と、それぞれ1時間ずつ打ち合わせる

同じ質問を送るのは、答えを比べるためです。各社が違うことを提案してくると、比較になりません。

打ち合わせに出てくる人も見てください。営業の担当者だけで、実際に作る人が最後まで出てこない場合、聞いた話が伝わらないまま制作が進むことがあります。誰が設計し、誰が書き、誰が作るのかを、契約前に確かめておいてください。

よくある質問

Q. 知り合いの紹介で頼むのは、どうですか

紹介そのものは悪くありません。ただし、本文で挙げた確認事項は、紹介であっても同じように聞いてください。関係があるために聞きにくくなり、曖昧なまま進むのが紹介の失敗の典型です。聞きにくいことを最初に聞いておくほうが、関係を保てます。

Q. 見積もりが1社だけ極端に高い場合、どう考えればよいですか

高い理由を聞いてください。設計や取材、原稿の作成が含まれている場合、他社と比べているものが違います。逆に、含まれるものが同じで金額だけが高いなら、選ぶ理由はありません。金額の絶対値ではなく、何が含まれているかで比べます。

Q. 公開後に制作会社を変えることはできますか

できます。ただし条件があります。ドメインが御社の名義であること、サイトのデータを受け取れること、使っている仕組みが特殊でないことの3つです。契約前にこの3点を確かめておけば、後から移ることは難しくありません。確かめずに進めると、移るために作り直しが必要になる場合があります。

まとめ

制作会社選びの失敗は、デザインの好みや金額ではなく、原稿の分担・公開後に触れる範囲・データと権利の所在という3つの確認漏れから起きます。契約前にこの3つを同じ文面で各社に聞き、答えを比べてください。

進め方の相談だけでも承っています。いまの状況とご予算の考え方を伺ったうえで、何を確かめるべきかをお伝えします。お問い合わせからご連絡ください。費用の考え方は料金にまとめています。