記事のネタが尽きるのは、書くことが無いからではなく、社内にある材料を集める手順が無いからです。テーマの出し方を変えるより、材料の集め方を仕組みにするほうが早く解決します。
この記事は、サイトに記事を積み上げると決めたものの、数本書いたところで止まってしまった事業主の方に向けて書いています。
結論:ネタは4か所から出る
| 出どころ | 具体的に何を集めるか | 記事にする頻度 |
|---|---|---|
| お客様に聞かれた質問 | 商談・電話・現場で実際に出た質問と、そのときの答え | もっとも多い |
| 断られた理由・迷われた理由 | 検討をやめた方が、何を心配していたか | 月1本ぶん |
| 自社でやっている手順 | 社内で当たり前にやっている作業の順番と判断基準 | 定期的に |
| 数字が動いたときの記録 | 順位や問い合わせが変化したとき、直前に何を変えたか | 変化があったとき |
このうち最初の1つだけで、多くの事業では年間分のテーマが埋まります。尽きているのはネタではなく、記録です。
課題:テーマ一覧を作った時点で止まる
制作会社からキーワードの一覧を渡され、そこから書こうとして止まる。これがもっとも多い止まり方です。理由ははっきりしています。
- キーワードは「検索されている言葉」であって、「自社が答えを持っている問い」ではない
- 答えを持っていない問いに対しては、一般論しか書けない
- 一般論は書くのが苦痛で、書いても手応えが無く、続かない
もう1つの止まり方は、書く時間を確保したのに、何を書くか思い出せないという状態です。材料が無いのではなく、その場で思い出せないだけです。商談で聞かれた質問は、その週のうちに忘れます。
解決策1:質問を、その日のうちに1行だけ残す
手の込んだ仕組みは要りません。質問された言葉のまま、1行だけ書き留めるのが要点です。
- 「工事中って家に住めるんですか」
- 「相見積もりって失礼になりませんか」
- 「顧問料って、何をしてもらえる金額なんですか」
言い換えないでください。「工期中の居住可否について」と整えた瞬間に、検索されている言葉から離れます。お客様が使った言葉が、そのまま検索される言葉です。
1行に添えるとよいのは、**誰が聞いたか(業種や立場)**だけです。「工務店の社長」「はじめて外注する飲食店」のように書いておくと、記事にするときに読者像が決まります。ここが決まっていないと、誰に向けた記事か分からないまま書き始めることになります。
集めた材料の置き場所を、1つに決める
集める習慣が続かない原因の大半は、置き場所が複数あることです。メモアプリ、手帳、共有フォルダ、担当者の頭の中に分散すると、書くときに探す作業から始まることになり、それだけで止まります。
置き場所はどこでも構いませんが、次の条件を満たすものを1つだけ選んでください。
- 外出先から1分以内に開ける
- 検索できる
- 複数人が書き込める
当サイトでは、記事の管理画面に下書きとしてためています。1行だけ書いた状態で保存でき、あとから本文を足していける形です。書き足す場所と、公開する場所が同じなので、材料が記事になるまでの移し替えが発生しません。専用の仕組みが無い場合は、共有のメモアプリで十分です。
集めた材料を記事にして公開するところまでを含めているのが、記事コンテンツ運用です。書いた原稿の見方は、AIで書いた記事がGoogleに評価されない本当の理由で扱っています。
解決策2:断られた理由を、記事の題材として扱う
受注できなかった案件は、そのまま記事になります。検討をやめた理由は、同じことを考えている見込み客が、いま検索している内容だからです。
| 断られた理由 | 記事になる問い |
|---|---|
| 予算が合わなかった | 費用は何にかかっているのか。どこを削れるのか |
| 社内で決裁が通らなかった | 決裁を通すために、何を資料に載せればよいか |
| 自社でできると思った | 自社でやる場合、どこで詰まるのか |
失注を記録に残していない会社は多いのですが、理由を1行残すだけで、翌月のテーマになります。 断られた直後は気が重いので、担当者が思い出せるうちに書き留める運用にしてください。
注意点として、断られた相手や案件が特定できる書き方はしないでください。業種と、心配していた内容だけで十分です。「◯◯社は予算で折り合わなかった」ではなく、「はじめて外注する飲食店が、月額の内訳を不安に感じていた」と書けば、記事の題材としては足ります。
解決策3:自社の手順を、そのまま書く
社内で当たり前にやっている手順は、外から見ると具体的な情報です。「うちは特別なことをしていない」と感じる作業ほど、書くと差がつきます。
当サイトでは、記事を公開するまでに次の順で進めています。
- テーマとキーワードを決める(サイト制作時に作った設計から選ぶ)
- 下書きを生成する(一次情報を材料として渡す)
- 仕様を機械的に検証する(字数・見出し数・FAQ の有無・使わない表現)
- 人が監修する(数字と事実の確認。1本あたり20〜30分)
- 公開し、順位と表示回数を追う
この5段階のうち、3番目を機械にやらせているのが要点です。読まなくても分かることを人が数えるのは無駄なので、そこを外して監修に時間を使えるようにしています。
同じように、御社が普段やっている段取りを書き出してみてください。工程の数、判断の分かれ目、やらないと決めていること。この3つが入っていれば、それだけで記事になります。
とくにやらないと決めていることは、書く人が少ない割に読まれます。「この工法は扱わない」「この時期の着工は勧めない」といった判断は、理由まで書けば、そのまま選ぶ側の判断材料になります。同業他社の批判にならないよう、自社が何を選んだかだけを書くのが条件です。
解決策4:書けない月は、無理に埋めない
材料が無い月に本数を埋めると、一般論の記事が増えます。一般論の記事は検索順位に反映されず、サイト全体の印象を薄めます。
当サイトの運用はストック型(3,000字前後の解説記事)を月2本、鮮度が価値になる短い記事は書けるときに随時という形にしています。本数を目標にすると、材料の無い月に無理が出るためです。
書かない月があってよいと決めておくほうが、結果的に続きます。止まったときに再開しやすいのは、目標本数ではなく、材料の置き場所を決めてある運用のほうです。
よくある質問
Q. 質問を書き留める習慣が続きません。
A. 1日の終わりにまとめて思い出そうとすると続きません。質問された直後に、相手の言葉のまま1行だけ残す形にしてください。整えるのは書くときで間に合います。その場で1行が続けるための条件です。
Q. 同じような質問ばかりで、記事が似てしまいます。
A. 似た質問が多いのは、そこに需要があるということです。1本にまとめるのではなく、質問の前提を変えて分けてください。 「費用はいくらか」でも、はじめて外注する方と、作り直しを検討している方では、知りたい内容が違います。
Q. 社内に書ける人がいません。
A. 書く作業と、材料を出す作業は分けられます。材料(質問と、そのときの答え)を出す人が社内にいれば、文章にする部分は外に出せます。材料だけは社内にしかありません。 そこを外注しようとすると、一般論の記事になります。
まとめ
ネタが尽きたと感じたときに見る場所は、お客様の質問、断られた理由、自社の手順、数字が動いた記録の4か所です。どれも社内にありますが、記録していなければ思い出せません。
記事運用の仕組みごと用意してほしい場合は、どんな一次情報をお持ちかを伺ったうえで、公開できるテーマをその場でいくつかお出しできます。お問い合わせからご相談ください。