工務店の施工事例は、写真を並べただけでは検索に拾われません。検索エンジンから見ると、写真だけのページは中身がほとんど無いためです。1件ごとに文章を添え、工法・坪数・エリア・要望を書いて、はじめて地域名を含む検索の受け皿になります。

この記事は、施工事例を載せているのに問い合わせにつながらない工務店・リフォーム会社の方に向けて書いています。

結論:1件のページに、この6つを書く

項目 書き方 効く理由
施工エリア 市区町村名まで 「〇〇市 注文住宅」の受け皿になる
工法・構造 木造軸組、2×4など具体名 工法で探す層が一定数いる
延床面積・間取り 坪数と部屋数 自分の家に近いか判断できる
施主の要望 相談時の言葉のまま 同じ悩みの人が自分ごとにできる
工期 着工から引き渡しまでの月数 段取りの見通しがつく
費用の考え方 幅と、幅が決まる要因 相見積もりの土俵に乗れる

写真は主役のままで構いません。写真の下に、この6つが並んでいるかどうかだけの違いです。

課題:事例が1ページにまとまっている

多くのサイトで、施工事例が「事例一覧」という1ページに写真で並んでいます。この形には2つの問題があります。

1つは、検索の入口が1つしかないことです。20件の事例があっても、検索エンジンから見えるページは1枚です。「〇〇市 リフォーム」「平屋 注文住宅」といった別々の検索に対して、同じ1枚しか差し出せません。

もう1つは、読む側が比較できないことです。写真だけでは、自分の予算と敷地に合う話かどうか分かりません。判断できないまま離脱します。

解決策1:1件につき1ページを持たせる

事例は1件ずつページを分けてください。ページが20枚になれば、検索の入口が20個になります。

新しく20件を書き起こす必要はありません。直近5件から始めて、引き渡しのたびに1件ずつ足す形で十分です。過去の事例は、写真と基本情報だけの状態で残しておき、余裕があるときに書き足せば構いません。

ページを分けると更新が大変になると思われがちですが、実際は逆です。1枚のページに全件を詰め込む形だと、1件足すたびに全体のレイアウトを崩さないよう気を使うことになります。1件1ページなら、前回と同じ型に沿って書き足すだけで終わります。型が決まっていることが、続けられるかどうかを分けます。

事例ページの型を、先に決めておく

書く項目を毎回考えていると、そこで手が止まります。次の順番を型として固定してください。

  1. 写真(外観・内観・引き渡しの順)
  2. 基本情報(エリア・工法・延床・工期)
  3. 相談時に言われたこと
  4. どう解いたか
  5. 費用の考え方
  6. 担当者からの一言

このうち3番と4番が、他社と差がつく場所です。同じ間取りでも、なぜその形にしたかは会社ごとに違います。 図面や写真からは読み取れない部分なので、文章でしか伝わりません。

型を決めておくと、現場の担当者に「この6項目をメモしてください」と頼めるようになります。書く人と、材料を出す人を分けられる形にしておくと、月に1件の更新が続きます。

解決策2:施主の言葉を、言い換えずに書く

事例ページで最も効くのは、施主が相談時に言った言葉です。

  • 「二世帯だけど、玄関は分けたい」
  • 「収納が足りなくて、いつも床に物が出ている」
  • 「前の家が寒くて、冬に廊下へ出るのが嫌だった」

これを「収納計画の最適化」「断熱性能の向上」と整えてはいけません。整えた瞬間に、検索されている言葉から離れます。 同じ悩みを持つ人は、自分の言葉で検索するからです。

掲載の可否は、書面で確認してください。引き渡しのタイミングで聞くと、依頼しやすく、断られにくくなります。口頭の了承だけだと、後から掲載を取り下げる話になったときに記録が残りません。

要望を書くときは、解決した結果までを1組にしてください。 「収納が足りない」という要望だけでは、読む側は自分の家に当てはめられません。「玄関からの動線上に土間収納を設けた」「廊下の一部を可動棚にした」と続けて、はじめて判断材料になります。写真と文章が同じ場所を指していると、さらに伝わります。

施主の言葉をそのまま使うことには、もう1つ利点があります。現場の担当者が書けるようになることです。文章を整える力は要りません。打ち合わせで言われたことと、それに対して自社がどう答えたかを並べるだけで、事例ページの中核は埋まります。整えるのは、社内の別の人でも、外部でもできます。

逆に、担当者が書けない形にしてしまうと更新は止まります。「ホームページ用の文章」を求められると、多くの現場担当者は手が止まります。メモの体裁で構わないと決めておくことが、続ける条件になります。

解決策3:エリアは市区町村名まで書く

「県内全域対応」とだけ書かれていると、自分の住む町に来てくれるかが分かりません。距離の不安が残ったまま問い合わせる人は多くありません。

施工したエリアを、事例ごとに市区町村名で書いてください。会社案内ページに一覧を置くより、事例ページに1つずつ書いてあるほうが強く働きます。 実際に施工した記録として書かれるためです。

対応できる範囲と、実際に施工した範囲は分けて書いてください。対応範囲は会社案内に、施工実績は事例ページに置きます。前者だけだと、遠方の方から問い合わせが来て双方の時間が無駄になります。後者だけだと、まだ実績の無い地域の方が対象外だと思ってしまいます。2つを分けて書けば、どちらの取りこぼしも防げます。

検索に読ませる構造の設計は、SEO・AIO設計で扱っています。事例より先に載せるべき4項目は、工務店のホームページに載せるべき4項目で扱っています。

解決策4:費用は幅で書き、幅の理由を添える

金額を出すかどうかは判断が分かれますが、書かない場合、書いている会社と比べられた時点で候補から外れます。

「1,800万円〜2,400万円」のように幅で書き、その幅が何で決まるか(延床、設備の選び方、外構の範囲)を1行添えてください。金額だけを見て来る方を減らす効果もあります。

事例:Y県の工務店で順位が動いた記録

運営元である株式会社iroha が手がけた案件では、Y県の工務店のサイトで「Y県 工務店」が9〜10位から3ヶ月以内に検索1ページ目へ移りました。ページ構成とキーワード設計を組み直した結果です。

特別な施策は行っていません。構成の順番を変え、事例に文章を足しただけです。検索順位は当方が決められるものではないため、同じ結果をお約束するものではありません。

よくある質問

Q. 事例は何件あればいいですか。

A. まず5件で公開して構いません。件数より、1件ごとの情報量が効きます。5件それぞれにエリア・工法・要望・費用の考え方が書かれていれば、写真だけの20件より受け皿になります。

Q. 施主に写真の掲載を断られました。

A. 内観だけ、部分だけ、といった範囲で聞き直してみてください。全面的に断られた場合は、図面の一部と文章だけで事例ページを作ることもできます。文章だけでも検索の受け皿にはなります。

Q. 昔の事例は消したほうがいいですか。

A. 消さないでください。古い事例でも、エリアと工法の記録として働きます。ただし「最新の施工事例」と書いてあるページが3年前で止まっていると、稼働していない印象になります。日付の見せ方だけ整えてください。

まとめ

施工事例は、1件ごとにページを持たせ、エリア・工法・坪数・要望・工期・費用の考え方を書いてください。写真は主役のままで構いません。文章が下に付くかどうかだけで、検索の入口の数が変わります。

どの事例から書き直すべきかは、いまの検索の状況によって変わります。現状のサイトがあれば、どのページが見られているかを調べたうえでお伝えします。お問い合わせからご相談ください。