AIOとSEOは何が違うのか

目的地が違います。SEOは検索結果に並ぶことを、AIOはAIの回答に引用されることを狙います。

やることの8割は共通です。残り2割が、次のような違いです。

SEO AIO
評価する側 検索エンジン AIの言語モデル
効く単位 ページ全体 段落・見出し単位
前置き 許容される 引用されなくなる
求められる形 網羅性 断定と、答えの短さ

重要なのは、AIOのためにSEOを捨てる必要がないことです。新しい施策を積み増すというより、いま書いている文章の順序を入れ替える話だと考えてください。

SEOそのものが何を指すのかは、SEOとは何をすることかで整理しています。当社がこの2つをどう設計に入れているかは、SEO・AIO設計をご覧ください。

なぜ引用されることが重要なのですか

相談先を探す人が、検索結果を開かずに済ませる場面が増えているためです。

従来は、検索して並んだページを何件か開き、比べて選んでいました。いまは、AIに聞いて返ってきた答えの中から選ぶ人がいます。この場合、御社のページが何位にあるかではなく、その回答の中に名前が出るかどうかが分かれ目になります。

回答に出なければ、比較の土俵にすら乗りません。順位が5位でも、引用されていれば選ばれます。逆に1位でも、AIの回答に名前が出なければ、そもそも開かれない場面が生まれます。

引用されるために何を変えるのか

書き方の話が中心です。順に効きます。

  1. 冒頭に結論を書く。 AIは記事の前半を優先的に読む傾向があります。1〜2文目で答えを言い切ってください
  2. 見出しを疑問形にする。 質問と答えの対応が取りやすくなります。すべてでなくてよく、半分程度が目安です
  3. 表と箇条書きを使う。 整理された情報は、そのままの形で引用されます
  4. 記事末にFAQを置く。 質問文が、実際に検索される言葉と一致します

FAQを書くときの注意が1つあります。答えは、その部分だけ読んで意味が通るようにしてください。 「前述のとおり」と書くと、切り出されたときに意味を失います。

質問の文言も、読者が実際に打ち込む言葉で書いてください。「料金体系についてのご案内」ではなく「顧問料はいくらですか」です。整った言い回しに直すほど、実際の質問から遠ざかります。

もう1つ、本文の繰り返しをFAQに置かないでください。本文で説明しきれなかった具体を入れる場所として使うほうが、記事全体の情報量が増えます。

前置きを書いてはいけないのはなぜですか

引用される場所を、自分で埋めてしまうためです。

「近年、Webマーケティングの重要性は高まっており」で始まる記事は、前半に情報がありません。AIが前半を読んで引用しようとしても、引用すべき中身がない状態です。

書き出しは次の形にしてください。

  • 1〜2文目で結論を言う
  • 3文目で、誰に向けた記事かを明示する

これだけで、記事の前半が引用に耐える密度になります。読む人にとっても、続きを読むかどうかを早く判断できます。

構造化データはどこまで必要か

最低限、次の3つがあれば足ります。構造化データとは、ページの意味を機械に伝えるための記述です。

種類 何を伝えるか
Organization 事業者そのものの定義
BreadcrumbList サイトの中での位置
FAQPage 質問と答えの対応

当サイトでも、この3つを含む構造化データを全ページに入れています。あわせて、よくある質問は開いた状態でHTMLに出力し、JavaScript が読み込まれた後に折りたたんでいます。見た目は同じでも、機械が読み取れる情報量が変わるためです。

llms.txt というファイルも置いています。サイトの構成をAI向けにまとめたもので、対応は各社まちまちですが、置くこと自体の負担が小さいため用意しています。

中小企業が優先すべきなのはどこですか

書き方の見直しからです。構造化データより先に手を付けてください。

順 やること 費用
1 既存ページの冒頭を、結論から始まる形に直す 自社でできる
2 よくある質問を10問書く 自社でできる
3 見出しを疑問形に直す 自社でできる
4 構造化データを入れる 制作会社に依頼

1から3は文章を直すだけで、費用がかかりません。しかも効果が出るのはこの範囲です。4は仕組みの話なので、一度入れれば以後は手がかかりません。

業種と地域を組み合わせた言葉から始めてください。 「ホームページ制作」のような全国規模の言葉では、AIの回答に出てくるのは大手と比較サイトです。「地域名 業種 課題」の形なら、競合は数社まで減ります。

当社が担当したY県の工務店のサイトでは、「Y県 工務店」が9〜10位から3ヶ月以内に検索1ページ目へ移りました。狙う言葉を地域に寄せた結果です。AI検索でも、参照される範囲が絞られるほど拾われやすくなる点は変わりません。

なお、地域や業種を書けば何でも拾われるわけではありません。対応地域、価格の桁、誰が担当するか。 この3つが書かれていないページは、AIが引用しても読み手の判断材料になりません。文章の順序を直す前に、そもそも判断材料が載っているかを確かめてください。

効果はどう測ればよいですか

いまのところ、標準的な測り方はありません。

現実的なのは、自分で聞いてみることです。月に1回、AI検索に「(地域名)で(業種)を探しています」といった質問をし、御社が出てくるかを見ます。手作業ですが、5分で終わります。

数値で追うなら、次の2つを併せて見てください。

  • 検索からの訪問数(従来どおり)
  • 問い合わせの内容の変化

2つ目が実務的です。「詳しいことは分からないが、ここが良さそうだと聞いた」という入り方が増えていれば、どこかで引用されています。

注意点として、AIの回答は毎回同じにはなりません。1回出なかったからといって対策が効いていないとは限らず、逆に1回出たから成功とも言えません。数ヶ月単位の傾向で見てください。順位のように日々追う指標ではありません。

よくある質問

Q. AIO対策をするとSEOが悪くなりませんか

なりません。結論を先に書く構成は離脱を減らすため、SEOにも有利に働きます。表や箇条書きも同様です。AIOのためにやることは、ほぼそのまま読む人のための改善になっています。両方を別々に対策する必要はありません。

Q. 記事を何本書けば引用されますか

本数では決まりません。1本でも、その質問に対する答えが明確に書かれていれば引用されます。逆に、一般的な説明を広く書いた記事は、何本あっても引用されにくいままです。御社にしか書けない情報を、質問に対する答えの形で書いてください。

Q. 専門用語を減らしたほうがよいですか

減らすというより、使うたびに短い説明を添えてください。「構造化データ(ページの意味を機械に伝えるための記述)」のような形です。AIは前後の文脈から意味を補いますが、説明が添えられている文のほうが、そのまま引用しやすくなります。読む人にとっても同じです。

まとめ

AIO対策としてやることの大半は、従来のSEOと矛盾しません。違うのは、結論を先に置き、答えを段落単位で完結させ、表とFAQで整理するという書き方の部分です。構造化データより先に、いまあるページの冒頭を直してください。費用がかからず、効果が出るのはそこです。

いまのサイトが引用されうる形になっているかは、拝見すれば分かります。どこから直すと効果が出やすいかをお伝えしますので、お問い合わせからご相談ください。書き方の見直しだけで済む場合は、その旨をお伝えします。